暖色と寒色

 虹の7色を大きく2つに分けると、暖色寒色に分けることができます。暖色コミュニケーション寒色は自分を見つめなおす内省のエネルギーを持っています。

 これは色の持つ波長の長さと関係していると考えられます。暖色系の色は、寒色系の色よりも波長が長いのです。ゆったりとした波長ということですね。たとえばヒーターの赤い色は、あなたを暖かく包んでくれるようで元気が出ます。身体や気持ち全体を包み込む波長です。

 人と触れ合いたい、積極的に交流したいという気持ちの時選ぶことが多いようです。

 これに対して寒色系の色は、波長が短く、ピンポイントで人の心に影響を与えます。1人になりたい時、自分を見つめ直したい時に心が求める色ということになります。

 色系の色の部屋にいると、時間がたつのが速く感じるそうです。暖色系の色の部屋は長い間いたような気がして、早く部屋を出たくなるそうです。でも寒色系の色の部屋に入った場合、暖色系の色の部屋にいる時より、長時間部屋にいるのだとか。

 また、暖色は一般的に膨張色が多いため、暖色の部屋にいると圧迫感を感じるのでしょう。これに対して寒色は収縮色で奥行きを感じさせます。つまり、広い部屋にいると錯覚することも、リラックスする原因の1つなのかもしれません。

 これは、暖色が交感神経に、寒色が副交感神経に影響を与える波長こととも関係しています。交感神経は日中に働く神経で、人を活発にします。副交感神経は夜働き、人をリラックスさせます。

色と視覚の関係 膨張色と収縮色

 別の記事で、色にはエネルギーがあるというお話をいたしました(リンクはこの記事の最後にあります)。膨張色を例にするとよりわかりやすいのではないかと思います。

 一般的に暖色は飛び出して来る印象、こちらにせまってくる印象があるかと思います。これだけでも視覚的に色の持つエネルギーを感じていただけるのではないでしょうか。寒色は引っ込んだ感じがしますから、何かしら引っ張られる、引力のようなエネルギーを持っていそうです。

寒色と暖色が視覚に与える影響の違いを示す図

 暖色で気持ちが上がる方もおられます。気持ちが上がっている時には、暖色の原色に近い色を身に付けるとさらに気持ちが上がることもあるでしょう。

 ですから、暖色を好む時は、心も身体も元気にあふれていると考えることができます。

 半面、明るい原色を見ると「目にきつい」と思うことはありませんか? そういう時、あなたの心は、自分の内側と向き合っているのかもしれません。そうなると寒色の出番です。

 寒色は、一般に収縮色と言われます。じっと見ると引っ込んだ感じがします。寒色に包まれると落ち着いた気持になります。寒色を身に付けたいと思う時、人は冷静さ落ち着きを求める傾向があるようです。

 自分の内面と向き合い、自分と対話したい気持ちにさせてくれる色です。人と関わる時間よりも、自分の中で何かを整理するような気持ちになる時、寒色は効果を発揮します。

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色って何だろう 目に見える色はすべて幻想?(色にはエネルギーがある)

暖色の特徴

 暖色は波長が長いため、空気中の小さな粒に当たることが少ないそうです。粒子をうまくすり抜けていく感じですね。赤外線に近い色でもあり、人の身体や気持ちを暖かく包み込むイメージ。そのため、暖色は、積極的な活動や、人とつながるコミュニケーションに関わる色です。

 オレンジ色や黄色はコミュニケーションカラーとして知られています。交友関係が幅広い方は、オレンジ色や黄色に惹かれることが多いのではないでしょうか。

 暖色は膨張色。あなた自身も外の世界にどんどん出ていく準備ができているということでしょう。

 また、暖色は心よりも身体に対する影響が強いことでも知られます。オレンジ色は食欲増進の色。食欲を増す効果があります。身の回りにあるオレンジ色の看板と言えば・・・思い浮かべるものは割と共通しているのではないでしょうか。

寒色の特徴

 寒色は波長が短いため人の心によりピンポイントで影響を与えます。そのため、持つエネルギーが暖色と比べて強いと言われます。紫外線が殺菌効果や顔のシミの原因になることを考えれば納得ができると思います。

 そのため寒色は、暖色とは反対に、自分の内面に影響を与えます。

 暖色が積極的な活動をイメージさせます。これに対して寒色冷静さ落ち着き、自分を見つめなおすことや、物事を考えることと関係があります。

 寒色は、暖色よりも強い波長のエネルギーを持ってます。寒色を好む時、より強いエネルギーを受けるわけです。そうすると人とのコミュニケーションにエネルギーを配分する余裕が減ることになるのでしょう。大きな負担を心が避けるようになると言ってもよいでしょう。

 寒色、特には、記憶力を高める色であると言われます。何か覚える時には、青いペンを使うと覚えやすくなるとか。人と和気あいあいとおしゃべりしている時は、落ち着いて集中できません。集中する必要がある時、人とのコミュニケーションを前提とする暖色でなく、青色という寒色が記憶を促進するというわけです。

 さて、次回以降は、個別の色の持つ意味についてまとめてみたいと思います。引き続きご購読お願いいたします。

次の記事:それぞれの色の話

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